ランバ・ラル、戦いの中で戦いを忘れた 機動戦士ガンダム ランバ・ラル名言
「ランバ・ラル。戦いの中で戦いを忘れた。」とは機動戦士ガンダム 第20話「死闘!ホワイトベース」の中でのランバ・ラルのセリフです。
昔ながらの武人ランバ・ラル
第19話「ランバ・ラル特攻!」でガンダムと相対し搭乗機グフを撃破されたランバ・ラル。
この第20話では、ドズルからドムを3機を受け取る手筈になっていました。が、マ・クベの策謀により握りつぶされてしまいます。
しかしそうとは知らないランバ・ラルは、
いや、このランバ・ラル、たとえ素手でも任務はやり遂げてみせるとマ・クベ殿にはお伝えください
とマ・クベの使者ウラガンに告げる。
そして
ランバ・ラル「元々ゲリラ屋の私の戦法でいこう。どうだ?クランプ」
クランプ 「その方が兵どもも喜びます、隊長」
とホワイトベースに乗り込み白兵戦を仕掛けることを決意します。
ラル:「フフ、この風、この肌触りこそ戦争よ」
と本来はモビルスーツのパイロットではなく、生身の兵士として戦ってきたことを匂わせているソルジャーなセリフです。そして、ランバ・ラルは、知略策謀などを張り巡らせるのではなく、目の前の敵を正々堂々と倒すことに全力をそそいできた戦争屋であり愚直な昔ながらの武人であることがわかります。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN 内では、ジオン・ズム・ダイクンが暗殺されたあと、政敵であったザビ家によって力を削がれたラル家。しかしドズルはランバ・ラルをモビルスーツの開発パイロットして登用する。そしてそれまでのランバ・ラルは、ドズル同様、血の気が多く喧嘩っ早い漢として描かれているが、まだ幼いアルテイシアの愛猫を助けにいくなど、気さくなおじさん的なのりでダイクン家の遺児2人とのつながりも描かれている。
また機動戦士ガンダム THEORIGIN13巻では独立戦争の初戦においてドズルからコロニー内に毒ガスを注入して住民を殺す作戦を言い渡される。ギレンの立案した作戦であることをドズルは言うが、武人らしくない悪魔の作戦である ときっぱりと断っています。
セイラの状況判断の速さ、そして恐ろしさ
アニメに話を戻すと、ランバ・ラル隊は、ホワイトベースに取り付き白兵戦がはじまります。そしてランバ・ラルはブリッジを制圧すべく突入したところでセイラと鉢合わせます。
セイラ:「あっ・・・」
ラル:「あっ、ひ、姫、ひ、姫様か?」
セイラ:「あ・・・」
ラル:「・・・間違いない、アルテイシア様に違いないな。私をお忘れか?あなたの父上ジオン・ダイクン様に御仕えしたジンバ・ラルの息子ランバ・ラルですぞ」
セイラ:「アルテイシアと知ってなぜ銃を向けるか!」
ラル:「はっ!やはり。で、ではなぜ!?」
連邦軍の制服を着用しているセイラをひと目で昔お世話したアルテイシア・ソム・ダイクンであると見抜いたランバ・ラル。おそらく10年近くの年月は経っているはずだが、一目でわかるほど深くダイクン家へお仕えしたということなのだろう。
そしてこのやりとりの最中にリュウの銃弾を浴びてしまうランバ・ラル。
ラル:「ハモン、すまぬ。木馬をギャロップで撃破してくれ。ランバ・ラル、戦いの中で戦いを忘れた・・・アルテイシア様が」
敵になっていたセイラをアルテイシア・ソム・ダイクンとして認識してしまったランバ・ラル。昔の主君に対し、愚直な昔ながらの武人であるランバ・ラルが引き金を引けるわけもなく銃弾に倒れます。
その点、セイラは即座に状況を理解判断し、そして立場を利用して「アルテイシアと知ってなぜ銃を向けるか!」と言い放つ。なんとも恐ろしい対応力です。この一言でランバ・ラルは、戦いの中で戦いを忘れることになります。
ラル:「君達は立派に戦ってきた。だが、兵士の定めがどういうものかよく見ておくんだな」
と女と子どもばかりだと言ったホワイトベースクルーの面々に、戦争とはどういうものかを自分の死をもってみせつけます。
「ランバ・ラル、戦いの中で戦いを忘れた」は武人ランバ・ラルを体現している名言ではないでしょうか。
君はもう読んだか?
機動戦士ガンダム THE ORIGIN 安彦良和
2001年から2011年にかけてガンダムエースにて連載。全24巻 通常版
TVアニメでは描かれなかった、シャアの生い立ち、士官学校でのガルマとの出会いが詳しく描かれています。シャア・アズナブルはなりすまし!? ガルマはやっぱり坊やだな、などなど新たな発見が。
またザビ家の面々もより深く詳しく描かれていて面白い。アニメには登場しないサスロ・ザビや、ザビ家の黒幕はギレンではなくキシリアが暗躍する点など興味深い。
さらにはジオンのモビルスーツ開発の裏側やランバ・ラルとダイクン家のつながりなど、ニュータイプの登場などファーストガンダムの世界がよりリアルに鮮明に迫ってきます。
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